第2話 武ちゃん素菓子と出会うの縁
ここは秘密修行場、『龍の巣』
僕
「おつかれさま、今日も動画が撮れて良かったな。
初めは全然やったけど、まぁまぁの動きやったし、
後はこれを応用して
実戦レベルまであげるだけやな!
わからん事とかあったら何でも聞いてや」
武
「うん、でも聞きたいことがわからないねん」
僕
「まだきっちりやって1年してないし
そんなもんやって考え過ぎたらあかんで
ようやってくれてる方や!
当日のお題やしようやってるよ」
武
「言うてる意味はわかるねけど、体が
動いてくれへんねん…
上手くできなくてごめんね」
僕
(危険やちょっと追い詰められとるな)
「簡単な事をやってるわけじゃないから出来なくて当然
いきなりできたらびっくりするよ!」
武
「ありがとうがんばる」
僕
「ところで紹介したい人がいるねけど」
(実は仙人やけど…)
「ここに来るように言っといてんけど
来てないねん。どこ行ってるんかな~
仕方ないな~また今度来てもらうわ
じゃあまたな。さいなら」
武
「ふ~ん、じゃあ仕方ないね。またね
さようなら」
自転車に乗って帰ってる武ちゃんが道端でうずくまってる
みすぼらしい格好の老人を見つけ、声を掛けた。
武
「おじいさんどうしたんですか?」
謎の老人
「う~~~う~~~う~~~」
武
「おじいさん大丈夫ですか!!!」
謎の老人
「う~~~う~~~う~~~
うまい!
武
ズルっ
(なんだ、心配して損した(汗)
しかし、小汚い爺さんだわね~
ムシロまで背負っちゃって鼻も真っ赤だし
放っといてさっさと帰ろうっと)
謎の老人
「やっぱり弟子Mがくれた葛はうまいの~
上品な甘さであるのにしっかりとした味
それでいて全然しつこくなく舌の上で溶けるような
この舌触りは絶品じゃの~
吉野の本葛とみたがいつも良いものをくれよる」
武
(あほらしッ)
再び自転車に乗って過ぎ去ろうとする武ちゃんに
老人が声を掛けた。
謎の老人
「待った、おまえが武ちゃんじゃろ?」
武
「なんで知ってるんですか!
このストーカー!!警察に連絡だ!」
謎の老人
「ま、待たんかい!
このワシをどなたと心得る!
我が白髪の三千丈 心の丈は一万尺
因果宿業の六道も 百の輪廻もまたにかけ
愛し愛しと花踏みしだき おつる覚悟の畜生道
誰が呼んだか名付けたか!
人呼んで
武仙(ぶせん) 素菓子(そかし)とはワシの事じゃ!」
でん!
(きまった、これでもかって位きまってしまった。ニヤッ)
武
(…………)
つづく