素人女性でもできる力を使わない護身術

世界中の女性を暴力から救いたい

第2話 武ちゃん素菓子と出会うの縁

ここは秘密修行場、『龍の巣』

「おつかれさま、今日も動画が撮れて良かったな。

初めは全然やったけど、まぁまぁの動きやったし、

後はこれを応用して

実戦レベルまであげるだけやな!

わからん事とかあったら何でも聞いてや」

「うん、でも聞きたいことがわからないねん」

「まだきっちりやって1年してないし

そんなもんやって考え過ぎたらあかんで

ようやってくれてる方や!

当日のお題やしようやってるよ」

「言うてる意味はわかるねけど、体が

動いてくれへんねん…

上手くできなくてごめんね」

(危険やちょっと追い詰められとるな)

「簡単な事をやってるわけじゃないから出来なくて当然

いきなりできたらびっくりするよ!」

「ありがとうがんばる」

「ところで紹介したい人がいるねけど」

(実は仙人やけど…)

「ここに来るように言っといてんけど

来てないねん。どこ行ってるんかな~

仕方ないな~また今度来てもらうわ

じゃあまたな。さいなら」

「ふ~ん、じゃあ仕方ないね。またね

さようなら」

 

自転車に乗って帰ってる武ちゃんが道端でうずくまってる

みすぼらしい格好の老人を見つけ、声を掛けた。

 

「おじいさんどうしたんですか?」

謎の老人

「う~~~う~~~う~~~」

「おじいさん大丈夫ですか!!!」

謎の老人

「う~~~う~~~う~~~

うまい!

 

ズルっ

(なんだ、心配して損した(汗)

しかし、小汚い爺さんだわね~

ムシロまで背負っちゃって鼻も真っ赤だし

放っといてさっさと帰ろうっと)

謎の老人

「やっぱり弟子Mがくれた葛はうまいの~

上品な甘さであるのにしっかりとした味

それでいて全然しつこくなく舌の上で溶けるような

この舌触りは絶品じゃの~

吉野の本葛とみたがいつも良いものをくれよる」

 武

(あほらしッ)

再び自転車に乗って過ぎ去ろうとする武ちゃんに

老人が声を掛けた。

 

謎の老人

「待った、おまえが武ちゃんじゃろ?」

「なんで知ってるんですか!

このストーカー!!警察に連絡だ!」

謎の老人

「ま、待たんかい!

このワシをどなたと心得る!

 

我が白髪の三千丈 心の丈は一万尺

因果宿業の六道も 百の輪廻もまたにかけ

愛し愛しと花踏みしだき おつる覚悟の畜生道

 

誰が呼んだか名付けたか!

人呼んで

武仙(ぶせん) 素菓子(そかし)とはワシの事じゃ!」

でん!

(きまった、これでもかって位きまってしまった。ニヤッ)

(…………)

 

つづく