第3話 武ちゃんの点数
武
「全然知らないですけど(汗)」
シ~~~~~~ン
素菓子
「えっ…………………………」
放心状態の素菓子
30秒後
「ま・まぁ無知な者は知らんようじゃな
ワシみたいにスーパー有名人を知らんで
よく生きてこれたもんじゃ
ワシを知らんとは納税してないような
もんじゃぞ。全く!
まぁサインが欲しかったらいつでもいいぞ」
武
(絶対いらないんだけど)
「どうでもいい話はそこまでにしといて
どうして私の事を知っているのですか?」
素菓子
(どうでもいいて…張り倒したろか)
「おまえが今護身術習っとる弟子Mに頼まれたんじゃ」
(鼻ホジホジ)
武
「あっ!今日会わせたい人がいてるって言ってた
人のことですか!」
素菓子
「そうじゃそのすばらしい超有名人の
素・菓・子じゃ(そかし)」
武
(また勝手に言ってる)
「で、何をしに来たんですか?」
素菓子
「弟子Mがおまえが護身術がうまくできなくて
悩んでいると言うからわざわざ
教えにきてやったんじゃ」
武
(恩着せがましい…)
「ありがとうございます。でもいいです。
自分でなんとかしてみますから」
素菓子
「それができんから悩んでるんじゃろ?
お主、それなりの自信があったんじゃないのかな?
人にダンスを教えようというくらいじゃ
普通の身体能力ではないのじゃろう。
学生時代から何をやらせてもそれなりにこなして
きたのじゃろう、が、今回はそうはいかなかった…
今までの自分の積み上げてきた自信が崩れだした。
まぁこんなところじゃろ。どうかな?」
武
「…………」
素菓子
「かっかっか
まだ修行を始めて1年達つかたたない者が言う事
ではないて。しかも主がやっているのは高等な
身体操作じゃ。弟子Mもわしが言うのもなんだが
なかなかの身体能力だが、ここまでの術の習得に
20年からかかっとるからの~お主だったらあこまで
なるのに100年はかかるかもしれんて
かっかっかっか」
「ただ、弟子Mの目は節穴ではない。素質のないものに
出来るとは言わん!主の素質を見抜いて言ったのじゃ
ただ、弟子Mは才能があるがゆえ言葉が足らん所があるで、
説明をはしょりよるから、わかりにくい所もあるのではないかな?
そこでワシが呼ばれたという訳じゃ」
武
(なるほど、師匠はそこまで考えてくれてたんだ。
この爺様はちょっとうさん臭いけど師匠の師匠だから
悪い人ではなさそうだし)
「じゃあまだ護身術の事全然わからないんですけど、
教えていただけるでしょうか?」
素菓子
「ふんっ、人に教えを請うのに手ぶらはないじゃろが
あ~なんか甘いのが食べたいのぉ~」
武
(うっ!露骨な催促…教えを受ける身、仕方ないか)
「今日、練習前に作ったいちご大福なら家にありますが」
素菓子
「いちご大福?なんじゃそら、まぁ1度食してやっても
いいがの」
武
「ちょっと待ってて下さい」
ドキューン
武
「はぁはぁっぜえっぜえっ、家からも、持って来ました。はぁはぁ」
素菓子
「お主仕事が早いの!ワシを待たせぬ心遣いは良し!
後は味じゃのどれ1つ
パクッ
く~く~く~く~く~~」
武
「大丈夫!喉につまりましたか!」
素菓子
「く~く~く~くぅ~~~、くそうまい!
武
ドテッ
素菓子
「なんと!さっぱりとしたイチゴの酸味と甘み、
それを損なわないようにあんこがそこはかとなく甘みを
主張しているお互いの良い所を存分に引き出した
適材適所のスイーツ。これがイチゴ大福か!
ごちそうさまでした
…これはお主の手作りか?」
武
「はい、たまに作ったりします。」
素菓子
「お主、護身術の腕はまだまだ、だが、
イチゴ大福の味はなかなかじゃの~」
武
(人を褒める時もあるんだ)
「ありがとうございます。でも、護身術の腕が
どうかはまだ見てないからわからないんじゃ?」
素菓子
「そんなもん、立ち方、歩き方、重心の位置をみてたら、
大体の予想はつくわ!20点じゃの」
武
「に、20点……」
素菓子
「そうじゃお主!これからは覚悟せいよ!」
武
「はいっ
グズで、のろまで、ガメラですが、
よろしくお願いします!」
酷評を受けた武ちゃん
これからどうなりますやら
つづく