第8話 肩に手をかけようとするふとどき者を成敗
空き地にて
素菓子
「驚き、桃の木、山椒の木、一気に時を渡りきり、
ついに出た出たやっと出た、武術界のアイドル、武仙、素菓子
今週も見参!」
武
「いつもご苦労様です。
師父、自転車もって来ましたから。」
素菓子
「うむうむ、ごくろうさん。
スッカリ乗ってきたのを忘れておったのじゃ」
武
(そろそろ危ないんじゃないかしら…)
「師父、今週もよろしくお願いします」
素菓子
「よしよし、今回はどんなのをやったのじゃ?」
武
「今回はこんなのです」
護身術 女性専用 強引に手を肩をかけてきたら Women Self-defense.
素菓子
「ほ~っ今回はどじゃった?」
武
「最初は苦戦したけどわかりだしたら
どんどん出来始めました(笑)」
素菓子
「フンっこの術はフック系のパンチにも対処するための
基本の術じゃ。今回は肩に手をかけようとする為
じゃから相手にさほど力が入っとらん。じゃから、
簡単にできとるが、相手が本気でフック系のパンチ
できたら、こうは簡単にいかん!
より高度な体の使い方を要するぞ!
あくまでも基本が少し出来たくらいじゃ!
調子に乗るなよ!」
武
「はいっわかってます。
師匠に何発か殴られました!」
素菓子
「かっかっかっ。いい薬じゃて、
奴は厳しいからの、何となく
目の周りにうっすら涙の後があるようじゃが~
気のせいかの?
武
「こ、これは汗です!」
素菓子
「ふ~ん。どうでもいいがの。
で、今回はどこら辺が苦戦したんじゃ」
武
「はい、そもそも相手の腕に自分の腕を
からめる事が出来ませんでした…
そして自分の姿勢も崩れ独りよがりで動くから、
手も伸びるし、相手の体勢が全然崩れません
でした!」
素菓子
「そうじゃろうのう。簡単に見えるが、
やるとなると、なかなかコツがいるんじゃ。
まず、相手を崩すというのが絶対条件じゃ。
これができんと全く話にならん。
さらに上手くなるとこのまま相手を投げるのじゃ!
投げれる様にまではなれよ。」
武
「げっ、がんばります」
素菓子
「わかっとると思っとるが、力んではできん。
そして、相手の力の流れを感じその方向に合わせて
身を引く。相手の動きが速ければ速く、ゆっくりで
あればゆっくり、相手の動きに同調する流水の動きじゃ。」
武
「はいっわかります。
やり始めは相手の動きを考えず、自分ばかりが
動いていたから、相手と力がぶつかってばかり
でした。おかげで腕が真っ赤になりました。」
素菓子
「ドン臭い奴じゃの~弟子Mもだいぶ苦労
しとるじゃろうて~かっかっか。才能が弟子M
より残念なんじゃからしっかり自主練しとけよ!
このままでは100年かかるて。」
武
(くっそ~言わせておけば)
「師匠にも自主練は言われているので
しっかりやってます。」
素菓子
「励めよ。バランス感覚もまだまだじゃ。
では、次じゃが…」
つづく