第二部開始 第1話『武仙 素菓子』(そかし) 登場
練習終わりの隠れ練習場『龍の巣』にて…
僕
「相方の武ちゃんはズンバを辞めて護身術
に時間を割いてくれると言ってたけど、
護身術の個々の術は悪くないねけど、
応用力がいまいちやねんな~」
「それを本人がわかっていて苦しんでいる…」
「何とかもっと早く彼女の技術を
早く上げる方法はないかな~?」
「う~ん………………」
「やっぱこれしかないか…
彼女に耐えれるかどうかわからんけど、
試してみるか」
「え~い!考えてても仕方ないから電話しよう!」
プルルルルルルルル
ガチャ
謎の老人
「なんじゃ~弟子М久しぶりじゃの~」
僕
「ご無沙汰です師父」
「いきなりなんですが師父に相談したいことがありまして」
謎の老人
「金はないぞ」
僕
「お金は十分に持ってます」
「そうじゃなくって」
謎の老人
「おまえがワシの力を必要とはよっぽどのことじゃの」
僕
「はい、どうしても師父のお力と知恵を拝借したくて」
謎の老人
「で、どんな用件じゃ?」
僕
「はい、最近一人の女性に護身術を教えているのですが、
僕の予想より技術の向上が遅いので悩んでいるんです」
謎の老人
「どれくらいの期間修行して、どれくらいのスパンで練習してるんじゃ?」
僕
「全くの素人で本格的に始めたのは去年の11月からです。
練習は週に1回やってます」
謎の老人
「かっかっかっ、弟子Мよ、
お前の才能を基準に考えるは愚かよ」
「しかも素人で武術の知識もないのじゃから無理もないて」
「お前のことじゃから教えているのも、いきなり
普通ではない逸脱した動きじゃろうて」
僕
(えッ!図星…)
「でも、彼女才能はあるんですがまだ、
従来の体の使い方が抜けないみたいで…」
謎の老人
「かっかっか
ただ、一つだけ比較的短い時間で上手になる方法があるがの…」
僕
「そんな方法が!」
「是非教えて下さい!」
謎の老人
「簡単じゃわしが教えるんじゃよ」
僕
「師父が直接教えていただけるんですか!?」
謎の老人
「うむ、しかし今まで通りおまえが主となって教えてやれ、
これはお主の修行でもある、
ワシはお主が教えきれないとこを補足してやるのじゃ」
「しかも、心が傷つかんようにの」
「かっかっか」
僕
(師父が教えたら絶対傷つくんやけどな…)
「では師父よろしくお願いします!」
謎の老人
「お主の頼み断れまい」
(仙界で退屈しておったで調度良いわい)
僕
「ありがとうございます」
「お礼といっては何ですが、
おいしい葛を食べさせる店を見つけたので
今度ごちそうします」
謎の老人
「必ず食べさせろよ!」
「では、久しぶりに張り切って修行してやるかのぉ~」
僕
「武ちゃん耐えられるだろうか…」
「まぁ彼女ならなんとかなるだろう」
大きな不安を抱えつつも謎の老人に今後の事を
お願いする僕であった。
つづく