第14話 前から変なおじさんが胸を触りにきたら 2
つづき
護身術 女性 前から胸を触られそうになっても大丈夫!Women Self-defense.
素菓子
「まず、相手が手を伸ばしてきたら体を左にかわす。
そして、両手で相手の手をよけるように、そらす。
そこから滑らせるように相手の顔面に肘を入れる。」
武
「よけるタイミングが難しかったです。
遅かったら触られてるし、早くよけても、
逃げた方向に追いかけられて触られる。」
素菓子
「その通り!これはタイミングが重要じゃ。
遅すぎても早すぎてもいかんのじゃ。
相手が手を伸ばしてもう触れる!と思ったところ
くらいで体をさばくのじゃ。
これは実際にやってみやんとわからんの。
全ての術に言えることじゃがの」
武
「早い!遅い!て何回言われたかわかりません(汗)」
素菓子
「究極言えば早ければ早いほうがええんじゃ。
徹底的に早くな。相手の動きの‘’おこり“を察し
いわゆる、先の先をとる状態じゃの。
もともと突きに対する術じゃからこれを実戦できれば、
相手の突きも難なくかわせるようになるっちゅー
実践的な練習を含んだ術じゃ。
ただ、タイミングは経験してみんとわからんじゃろう」
武
「それも言われました。
早いのはいいけど、中途半端に早いから意味が無いと…」
素菓子
「かっかっか(笑)
そんなに簡単に先の先はとれんじゃろう。
相手に何もさせずに制する技術じゃからの。
一朝一夕ではできん。」
武
「精進します(汗)」
素菓子
「足を使って体をさばいたら、今度は手で
相手の手をさばく。さばくと言っても
相手の手に触れる程度じゃ。間違っても
相手の腕にガツンとぶつかってはいかん。
ぶつかっては前に入れんから相手に肘を
入れることができんからの。
相手の手をスルーさせて、相手の体を
泳がせるようにするのじゃ。」
武
「かなり自分の腕で勉強しました(涙)
でもいい経験できました!
相手の体も流せるようになりました。」
素菓子
「だいぶぶつかったみたいじゃの(笑)
青アザをみたらわかるわい。
相手の体を泳がせたら、顔面に肘を入れるの
じゃが、よけた腕をそのまま滑るように打って
肘をいれる。間違っても手を引いて勢いを
つけて打ってはいかんぞ。時間の無駄じゃ。
引いた手の時間で相手は体勢を戻すぞ。
ほんの一瞬でもじゃ!」
武
「確かに、手を引いて打ったらそれで流れが
止まってしまってました。相手を死に体に
することができなくて、次の倒す動きに連動
する事もできなかったです。」
素菓子
「その通りじゃ。勢いを付け直すとそうなる。
肘を打ってからもその手を引かずに更に腕を前に
伸ばすくらいの感覚で相手の首にかけて相手を倒す。
引いたら相手は倒れん。全部繋がりじゃ。
次の動作を同時にするのじゃ。」
武
「攻撃に移る際に空白の時間がある
と言われてました。」
素菓子
「一瞬じゃろうが、動きに隙間があるんじゃ。
動きに隙間を作らんようにする事を心掛けよ。
間抜けになるからの。実際は、肘を顔面に入れた
後は、流れさえ切れんかったら何でもいい。
相手は何もできんからな。
正し、動きが繋がってるというのが前提条件じゃ!」
武
「段々その感覚がわかってきたような感じが
します。」
素菓子
「少しでもわかったらええ。常にその感覚を
感じて術をかけるのじゃ。歩いている時も
立っているときも、日常のあらゆる動きにも
繋がってる感覚を感じて行動するのじゃ。
それが日々の修行というものじゃ。」
武
「うっ……
そこまでやりますか(汗)」
素菓子
「何をいうとるんじゃ!!!
それくらい出来んで上達なんてあるものか!
常人を逸脱するんじゃからの。」
武
「はいっやってみせます(敬礼)」
素菓子
「貴様も言うようになったな。
こっち側の人間になるのを楽しみにしとるぞい。
それでは、今週もこれまで!
さらばだっ」
武
「ありがとうございました」
素菓子
「敵陣形の一番集中してる箇所に
主砲、斉射三連!ファイエル!
一気に突き抜けるぞ!」
キコキコキコキコ
過ぎ去っていく素菓子
武
ぽっか~ん
つづく
第13話 前から変なおじさんが胸を触りにきたら 1
つづき
動画はこちら
護身術 女性 前から胸を触られそうになっても大丈夫!Women Self-defense.
向こうの方から赤い自転車が
ものすごいスピードで近づいてくる!
通常の自転車の3倍のスピードだ!
キキーーーーーーーーーーー!
武
「師父、今日はすごいスピードでの登場ですね。」
素菓子
武
「何言うてるんですか?」
素菓子
「相変わらずノリの悪いやっちゃの~」
武
「今日もよろしくお願いします。」
素菓子
「うむ。今日はどんなことをやったのじゃ?」
武
「はい、今日は前から変な人が来て、
胸を触ろうとした時の術です。」
素菓子
「ふむふむ。3つに分けてやるみたいじゃの。
1つ目は打撃中心に構成しているみたいじゃが、
これははっきり言ってバリエーションがいくつ
もあるから、やりだすとキリが無い。
今回のはほんの1例でしかないぞよ。
根本的なところさえ押えておればどんな形でも
いいじゃろう。相手を打撃で倒すことが最終的な
目的じゃからの。
まぁ~次の術の絡みもあるから、今回の術の
足運びをマスターせよ!」
武
「はいっ!でも手の動きでは?」
素菓子
「武術初心者にはよくある事なのだが、
どうしても派手な上半身に目がいくのじゃが
本当に大事なのは下半身、足捌きじゃ。
手の動きはもちろん大事なのじゃが、
足の動きはもっと大事でそっちに目がいくように
なれば武術も中級の仲間入りじゃ」
武
「確かに、よく師匠に足元がお留守になってると
練習する度に言われてます。
足を動かせと何回も言われてます!」
素菓子
「上半身が銀なら下半身は金じゃ。
下半身の動き無くして術はなりたたん。
頭に叩き込んどけよ!」
武
「よく、手を動かす時も手だけで動かしてる
と、注意されます。足元から連動させろと。」
素菓子
「うむ。それは本質を突いとる。
が、今のお主では真に理解はできんじゃろう。
要するに、全身繋がれってことじゃ。」
武
「よく繋がる感覚の練習はしてます。
繋がらなできても意味無い!出来てる事に
ならん!と今でもですが、練習し始めの頃は
呪文のように言われました。
初めは全然わからなかったけど、最近は
少し感覚がわかってきました。」
素菓子
「そうじゃろう。それはお主の動きを
みていればわかる。動画をアップする際も、
繋がってない動きじゃとOKサインは出さん
みたいじゃしの。相変わらず厳しい奴じゃ。」
武
「そうなんです。体概厳しいです…」
素菓子
「まぁ初めに言うたかもしれんが、才能の無い者
には言うても仕方が無い、自分の才能を評価してやれ」
武
「そう考えるようにしてます。」
素菓子
「うむ。自分を褒めて褒めて褒めまくれよ!
では、今回の術のポイントじゃが、
まさに足さばきにある。
この意味がわかるかな?」
武
「はいっ。足をさばかないと、相手と
力がぶつかってしまうということですね!」
素菓子
「ほ~そこは理解しとるようじゃの」
武
「もちろん受け売りですけどね」
素菓子
「ズルッ
まぁそんなとこじゃろのう(汗)
腕を上げたら相手の力を吸い込んで対処も
できるが、まだまだ先の話じゃ。
今回の術の目的はまさに相手の力を足さばきに
よりそらし、突っ込んできている相手に
カウンターをきめるという術じゃからの
もちろん上半身も脱力してないと話にはならん。」
武
「はい。初めはガンガンぶつかり、
腕が青あざだらけでした(涙)」
素菓子
「仕方のない事じゃ誰でも通る道じゃ。
相手が本気突きではないだけマシじゃろうが!
贅沢を言うな!」
武
「は~い」
素菓子
「返事が小さい!!」
武
「はい!!」
素菓子
「よろしい。
では、進むぞ。」
つづく
第12話 肩に手をかけようとするふとどき者を成敗 別法3
つづき
動画はこちら
護身術 女性向け 肩に手を掛けるやつをやっつける Women Self-defense.
武
(体全体を引き寄せるようにって手で引いてたら
できないな。そうだ!自分の体重を上手く利用
しろって師匠が言ってたの思い出した!)
「自分の体重を利用して相手を引き寄せてっと
自分も同時に前に入り入った瞬間には手を返して
相手の首にかけるっと。軽いっ!」
素菓子
ドテッ
「ふむふむ。今のは軽かったじゃろ」
武
「はいっ自分の体重を相手を引き寄せる力に
利用し、その勢いで前に入り引いた手を
上に返したら師父がもう斜めになってました!」
素菓子
「もう一度同じ要領でやってみろ」
武
「はい。さっきと同じようにとっ
ほいっ」
ドテッドテッドテッドテッ
それから何度か同じことを繰り返す
素菓子
「少しはわかってきたようじゃな。
自分の体重を利用するのは基本じゃぞ。
重力を味方につけろ。打撃の場合もこれは
当てはまるぞ!
おまえは力を使わないことをもっと勉強しろ!
動きが固いからもっと丸く丸く柔らかく相手を
包み込み激流のように一気に相手を叩きつけろ!
絶対的に練習が足らん。もっと基本を磨け!
基本をやってやってやってやりまくれ!
そしたら何か見えるものがあるじゃろう。」
武
「わかりました。明日からやります」
素菓子
「あほんだらぁ~!!」
「今日帰ったら暇を見つけてするんじゃ!
おまえの為なんじゃぞ!1日遅れれば、
1日危険な日が増えるわけじゃ!
毎日毎日欠かさずするんじゃ。
弟子Mは時間があればやっとったぞい。
電車に乗ってる時、歩いてる時、待ち時間、
風呂場で、ランニング中、もちろん休みの日で
体を動かせる時間があったら
ずっとやっておったみたいじゃぞ。
武
「ほんとうですかっ
しんどくないんですかね~」
素菓子
「本人は楽しいんじゃよ。
しんどいどころか、わくわくするんじゃ。
練習をやってるのが楽しくて楽しくて
たまらんのじゃよ。
どんどん自分が上手く強くなる事に時間が
経つのも忘れるくらい楽しいんじゃ
いわゆる『ゾーン』に入っとるわけじゃ。
お主にもそんな経験あるじゃろ?」
武
「はい、ダンスの練習をしていた時は楽しいし
練習していたら時間を忘れてました。」
素菓子
「同じ感覚じゃ。やってる事が違うだけで。
そんだけ武術を楽しんどる奴に追いつこうとするん
じゃから、おまえの道は並大抵のことではないぞよ。
かっかっかっかっ
あ奴はまた武術的才能もあるしの。お主も
性根入れてやらんと、どんどん差は広がるゾイ(笑)」
武
「えらい所に来てしまった(汗)」
素菓子
「自発的に練習をしたくならん限りあ奴には追いつけん。
ダンスのように楽しめたら、もしかしたら追い抜けるやも
しれん。なんといってもワシがついとるからの。チラっ」
武
「追いつく追いつかないは置いといて、
少なくとも私の納得できる所までは護身術を
マスターできる気がします!
師匠と師父を信じたらできると。」
素菓子
「ほーう。そう簡単に人を信じていいのかの?」
武
「私人を見る目があるんです(笑)それと、
ささやくんですよ私のゴーストが!」
素菓子
「かっかっかっかっかっそうかっ(笑)!
確かに人生何事も出来ると思わん限り上達も
成功もせんよ。
人生は自分の想像通りになるからの。
自分を信じて、自分を愛せよ
さすれば、道も開けよう。
では、また来週会おうぞ。さらばっ!
とうっ!」
キコキコキコキコ
シュッ
武
「あっ!師父が消えた!
どこどこっどこっ!
ぐ~~~……………
まっいいかっ
お腹が空いたからかーえろ」
その頃素菓子は…
田んぼに自転車ごと落ちていた
素菓子
「おい!もう帰るんかーい!
いてててて、格好よく帰るところが
油断したわい、それにしても薄情者め!」
つづく
第11話 肩に手をかけようとするふとどき者を成敗 別法2
つづき
動画はこちら
護身術 女性向け 肩に手を掛けるやつをやっつける Women Self-defense.
素菓子
「今回の技術的なことじゃがどこが
難しかったのじゃ?」
武
「まず、相手をこっちに引き寄せるのが重くって、
倒すのも初めはピクリとも倒れませんでした!」
素菓子
「まだ力に頼っとる!
力に頼っとったら100年かかってもできんぞい。
そこを理解し腑に落ちるまで練習せい!
力が無くても術はできるんだと…
そこを抜けんと術が上手になることはまずない!
自分より力の強い相手には勝てん。
それではオナゴは男には勝てんということになる。
それでは、護身術なんて不可能な事になるのじゃ」
武
「はいっ上手くいった時はほとんど力を使わず
相手を倒したりできてます。
力を使わなくても相手を倒せるというのは
理解しているのですが、ついつい今までの癖で
力が入ってしまいます…」
素菓子
「頭で理解してもダメじゃ!
体で納得せんとの。それを経験できるのは貴重な
経験なんじゃぞ。武術をやる者が皆できるわけ
ではなく、むしろ少数派じゃからのう。
男ならまだ力でも潰しは利くがオナゴでは
圧倒的な力の無さで男相手ではまず、勝てん。
そこのところを今一度心に刻め!」
武
「はい師父」
素菓子
「では今回の術は相手からすれば、
引き寄せられ、引き寄せられたと思ったら、
自分が倒されてる感覚にすることが肝心じゃ!
無理やり引き寄せられたのではなく、気がついたら
相手に引き込まれてる感覚じゃ!
ワシの肩に手を掛けてみろ」
武
(ちょっと強めにやってみよっ)
「師父いきますよ!失礼します
ってっうわ~~~~~」
ドスンッ
素菓子
「どうじゃやられた感覚は?」
武
「す、すごい!
気がついたら体が勝手に引き寄せられていて
そしたら師父がもう横にいて師父の手がきたのも
わからないうちに倒れてました!!
そしてすごく柔らかかったです!」
素菓子
「かっかっかっか少しは見直したか!
術なんて、ガツガツするのではない。
あくまでも柔らかく丸く丸くやる感じじゃ!
やってみい」
手を伸ばす素菓子
武
「えいっこっち来いっと」
強引に脇に手を入れ引っ張る武ちゃん
ポカッ
武
「痛てててて痛いじゃないですか~(怒)」
素菓子
「それがいかんと言うとるのじゃ!
あくまでも柔らかく相手の体全体を引き寄せるように
引き寄せた瞬間には自分が前に出て、相手の首に
手を掛け倒す。最後は手で倒すというより
手があるから倒れずにはいられないような体勢に
相手を詰めるのじゃ!いわゆる角度で勝ってる
状態じゃ。」
武
「確かに気がつけば師父の手が前にもうあって、
私はもう倒れるしかない状態になってました」
素菓子
「体が崩されとるんじゃ、ワシに角度をとられている
んじゃ。ここまでやられたらいかな大男でも簡単に
倒せる。力は不要じゃ!速さが求められる術じゃが、
絶対的な速さではなく、相対的な速さを使うんじゃ、
ってわかるかの~?チラッ」
武
「ふむふむなるほどっ!!
言ってる意味が全然わかりません」
素菓子
どって~ん
「なかなか期待を裏切らん奴じゃの(汗)
やっぱりわからんか。例えばじゃ、
手や足をを速く動かすというより、
1つ先の動きをほぼ同時にする感覚かの。
ゆっくりの動きでも1つ先の動きをほぼ同時に
することにより術はできる。パッパッと鋭角的な動きだと
いくら物理的に速くても術は極まらん。
相手に全部動きが伝わってしまうんじゃ。
これは最もやってはいけないタブーじゃ。
武
「それもよく言われます…反省」
素菓子
「練習でも相手の首に手が掛かってもピクリとも
動かんのは相手がもう次の動きを予想できとる
からじゃ。相手に気づかれたらいくら速くしても
重心が安定するからいくらやっても無駄じゃ!」
武
「なるほど、そういう意味か~
師父!今一度!」
素菓子
「おっ聞いてた通りやる気は一人前じゃの
ほれやってみぃ」
つづく
第10話 肩に手をかけようとするふとどき者を成敗 別法
今週も赤い自転車が向こうの方からやってきた。
動画はこちらから
護身術 女性向け 肩に手を掛けるやつをやっつける Women Self-defense.
素菓子
「燃える男の~赤いトラクタ~
天から降ったか地から湧いたか、三千世界を乱す奴、
天に代わって打ち砕く!頂き上手に命を賭ける、
武仙、素菓子、只今参上!」
武
(また、台詞変わってるよ…)
「師父、今日もよろしくお願いします!」
素菓子
「うむ。今週もお世話します。
お世話するから何かくれ。
アンパンが食いたい気分じゃの~
わしゃ腹減った。」
武
「そんなこともあろうかと今日は
アンパンを持ってきました。」
素菓子
「なぬっ!お主、察相の術を使うか!
今の時代に使い手はいないはずじゃが…」
武
「はぁ~???たまたま作ったから持って来ました。」
素菓子
「手作りとな!
お主は護身術の技術はまだまだじゃが、
気遣いはなかなかじゃの。
どれ1ついただこうかな。
いただきます。」
ムシャムシャムシャ
素菓子
「お~何ということじゃ。
このアンは甘すぎず、ほどよい甘さに
抑えられておる。生地も市販の物とは違い
変に硬くなっておらず、小麦の香りが鼻をかすめ、
口の中でへんに残る事もなく、
とろける様に喉を通り過ぎよる。
まるで小麦畑で食べているようじゃ~~
幸せじゃ~」
武
「どうでしょう?
まぁまぁいけるでしょ?」
素菓子
「うむ。ごちそうさまでした。
菓子作りの腕はみごとじゃの。
だが、それはそれ!今週もビシバシいくぞ!」
武
「お願いします」
素菓子
「で、今日はどんなんやったんじゃ?」
武
「前回やったものと相手の捕り方は一緒で
受け手の方が術を変えました。」
素菓子
「別法じゃの。
人それぞれ得手不得手があるから得意なものを
選択したらよい。無理に全て覚える必要はない!
得意なものを徹底的に鍛えろ!
じゃが得意でないものでも、一応体の中を通しておけ。
応用できるからの。
じゃが、基本は得意技の徹底的な練磨じゃ!!!」
武
「軸となる術を覚えるという事ですね!」
素菓子
「おっ!たまにはまともなことを言うではないか」
武
「軸を作ればどの術にも応用できると言う事ですね!」
素菓子
「おう!わかってきてくれたか!」
武
「全部師匠の受け売りです」
ズコッ!!
素菓子
「あ痛たたたたたっコケタよ。
受身とるの忘れたくらいコケた。
たんこぶできたやんけ!」
武
「師父、足腰弱くなってるんじゃないですか?」
素菓子
「あほんだら~!
お前のせいでコケたんじゃぁ~!!」
武
「師父そんなに怒ると血圧が」
素菓子
「わかっとるわ!
お主とおったら疲れるワイ
昔の中国では、
『千招(多くの技)を知る者を恐れず、
一招(一つの技)に熟練する者を恐れよ』
と言われておって、やたらいろんな術を知っておっても
役に立たん。根幹となる必殺技をつくれと
いうことじゃ。」
武
「師匠にベースとなる術をつくれと、
よく言われています。」
素菓子
「うむ、例えば、
今宵の虎徹は血に飢えている
もそのよい例じゃ」
武
「何ですかそれ?」
素菓子
「無学なり…あまりにも無学なり…
新撰組じゃよ…
得意技を徹底的に鍛えた、幕末最強の殺し屋軍団じゃ」
武
「あ~歴史はあまり…」
素菓子
「まぁ期待しとらんかったからええわい。
さて今回の技術的な事じゃが」
つづく
第9話 肩に手をかけようとするふとどき者を成敗2
つづき
動画はこちら
護身術 女性専用 強引に手を肩をかけてきたら Women Self-defense.
素菓子
「手をひっかけるのも、相手の腕をつかみに
いってはいかん。力んでしまい相手を
支えることになるからの。相手の皮膚に
ひっかけるくらいの感覚が良いじゃろう。」
武
「はい。腕をつかみに行くと相手は全然
崩れず、反対の手で殴られました…」
素菓子
「そうじゃ、初撃を失敗すると後が大変なんじゃ。
できるだけ初撃で始末しろ。
つくづく言うが護身術に2発目は無いと思え!
武
「身を以て感じました⤵」
素菓子
「続けるぞよ。相手を崩す際は相手の腕にスルスルと
手を伸ばし、相手の肘関節位を手の平全体で皮膚を
ひっかけるくらいの力で体全体で引くんじゃ。
間違っても指に力を入れたり腕で引っ張る
なんてやっとったら一生できんぞ!
その手を少し外に回しながら上から振り下ろすと
相手はコロリンとなるか体が崩れとるはずじゃ。
体が残っておったら全力で相手の顔面に当身を入れる。
実戦ではもっと相手の重心を支配して投げるんじゃ。
今のお前は投げたら受け身が未熟じゃから怪我する
じゃで、実際にはできんがの。
どれっワシが取ってやるからやってみぃ」
武
「お願いします!」
スッと手を伸ばした素菓子
武
「流れに合わせ腕を捕るっと。」
素菓子
「そうじゃ!その呼吸じゃ!体が崩れたじゃろ
って
えっ!」
バッッチン!!!!
バタッ
武
「大丈夫ですか師父」
素菓子
「チョウチョ~♪チョウチョ~♪菜の葉にとまれ~♪
菜の花畑が見える~きれいだな~きれいだな~
川の向こうにもっときれいなお花畑があるぞ」
武
「師父!師父!こっちに戻ってきて!」
(やばい!!いっちゃったか!?)
素菓子
「ハッ
何さらすんじゃ~!!!
親父にも殴られた事ないのに!」
武
「師父、でもいつも師匠には、やる時は全力でやれと。
中途半端に痛いのはやられ損やから、どうせ
痛いねやったら全力でやってくれ。
といつも言われているのでつい癖で…」
素菓子
「そ、それでいいんよ。本当はね。
でも、普通ワシにする?目上の人ですよ。
ビックリしたよ。はっきり言って。
こんなん初めてやし。見えたもんあっちの世界…」
武
「戻ってこれて良かったですね(笑)」
素菓子
(笑ってるで…これが新しい世代の人間
ニュータイプか…
オホンッ オホンッ 気を取り直して)
「技全体の流れとしてはそれでいいじゃろう。
これからは、さらに力を抜いて相手の体勢を
崩せるようになり、投げれるようになれば
基本的な使い方としては良いじゃろう。
より実践的な使い方として、フック系の攻撃をしてもらい
それを投げれるようになれい!」
武
「はいっやってみせます!」
素菓子
「その意気じゃ!では、また来週までさらばじゃ!」
自転車にまたがる素菓子
キコキコキコキコ
素菓子
(あ~痛かった。まぁまぁかの)
危うくあっちの世界に行きかけた素菓子、
来週はどんな術が待ってるのか!
つづく
第8話 肩に手をかけようとするふとどき者を成敗
空き地にて
素菓子
「驚き、桃の木、山椒の木、一気に時を渡りきり、
ついに出た出たやっと出た、武術界のアイドル、武仙、素菓子
今週も見参!」
武
「いつもご苦労様です。
師父、自転車もって来ましたから。」
素菓子
「うむうむ、ごくろうさん。
スッカリ乗ってきたのを忘れておったのじゃ」
武
(そろそろ危ないんじゃないかしら…)
「師父、今週もよろしくお願いします」
素菓子
「よしよし、今回はどんなのをやったのじゃ?」
武
「今回はこんなのです」
護身術 女性専用 強引に手を肩をかけてきたら Women Self-defense.
素菓子
「ほ~っ今回はどじゃった?」
武
「最初は苦戦したけどわかりだしたら
どんどん出来始めました(笑)」
素菓子
「フンっこの術はフック系のパンチにも対処するための
基本の術じゃ。今回は肩に手をかけようとする為
じゃから相手にさほど力が入っとらん。じゃから、
簡単にできとるが、相手が本気でフック系のパンチ
できたら、こうは簡単にいかん!
より高度な体の使い方を要するぞ!
あくまでも基本が少し出来たくらいじゃ!
調子に乗るなよ!」
武
「はいっわかってます。
師匠に何発か殴られました!」
素菓子
「かっかっかっ。いい薬じゃて、
奴は厳しいからの、何となく
目の周りにうっすら涙の後があるようじゃが~
気のせいかの?
武
「こ、これは汗です!」
素菓子
「ふ~ん。どうでもいいがの。
で、今回はどこら辺が苦戦したんじゃ」
武
「はい、そもそも相手の腕に自分の腕を
からめる事が出来ませんでした…
そして自分の姿勢も崩れ独りよがりで動くから、
手も伸びるし、相手の体勢が全然崩れません
でした!」
素菓子
「そうじゃろうのう。簡単に見えるが、
やるとなると、なかなかコツがいるんじゃ。
まず、相手を崩すというのが絶対条件じゃ。
これができんと全く話にならん。
さらに上手くなるとこのまま相手を投げるのじゃ!
投げれる様にまではなれよ。」
武
「げっ、がんばります」
素菓子
「わかっとると思っとるが、力んではできん。
そして、相手の力の流れを感じその方向に合わせて
身を引く。相手の動きが速ければ速く、ゆっくりで
あればゆっくり、相手の動きに同調する流水の動きじゃ。」
武
「はいっわかります。
やり始めは相手の動きを考えず、自分ばかりが
動いていたから、相手と力がぶつかってばかり
でした。おかげで腕が真っ赤になりました。」
素菓子
「ドン臭い奴じゃの~弟子Mもだいぶ苦労
しとるじゃろうて~かっかっか。才能が弟子M
より残念なんじゃからしっかり自主練しとけよ!
このままでは100年かかるて。」
武
(くっそ~言わせておけば)
「師匠にも自主練は言われているので
しっかりやってます。」
素菓子
「励めよ。バランス感覚もまだまだじゃ。
では、次じゃが…」
つづく