素人女性でもできる力を使わない護身術

世界中の女性を暴力から救いたい

第8話 肩に手をかけようとするふとどき者を成敗

空き地にて

素菓子

「驚き、桃の木、山椒の木、一気に時を渡りきり、

ついに出た出たやっと出た、武術界のアイドル、武仙、素菓子

今週も見参!」

「いつもご苦労様です。

師父、自転車もって来ましたから。」

素菓子

「うむうむ、ごくろうさん。

スッカリ乗ってきたのを忘れておったのじゃ」

(そろそろ危ないんじゃないかしら…)

「師父、今週もよろしくお願いします」

素菓子

「よしよし、今回はどんなのをやったのじゃ?」

「今回はこんなのです」


護身術 女性専用 強引に手を肩をかけてきたら Women Self-defense.

素菓子

「ほ~っ今回はどじゃった?」

「最初は苦戦したけどわかりだしたら

どんどん出来始めました(笑)」

素菓子

「フンっこの術はフック系のパンチにも対処するための

基本の術じゃ。今回は肩に手をかけようとする為

じゃから相手にさほど力が入っとらん。じゃから、

簡単にできとるが、相手が本気でフック系のパンチ

できたら、こうは簡単にいかん!

より高度な体の使い方を要するぞ!

あくまでも基本が少し出来たくらいじゃ!

調子に乗るなよ!」

「はいっわかってます。

師匠に何発か殴られました!

素菓子

「かっかっかっ。いい薬じゃて、

奴は厳しいからの、何となく

目の周りにうっすら涙の後があるようじゃが~

気のせいかの?

「こ、これは汗です!」

素菓子

「ふ~ん。どうでもいいがの。

で、今回はどこら辺が苦戦したんじゃ」

「はい、そもそも相手の腕に自分の腕を

からめる事が出来ませんでした…

そして自分の姿勢も崩れ独りよがりで動くから、

手も伸びるし、相手の体勢が全然崩れません

でした!」

素菓子

「そうじゃろうのう。簡単に見えるが、

やるとなると、なかなかコツがいるんじゃ。

まず、相手を崩すというのが絶対条件じゃ。

これができんと全く話にならん。

さらに上手くなるとこのまま相手を投げるのじゃ!

投げれる様にまではなれよ。」

「げっ、がんばります」

素菓子

「わかっとると思っとるが、力んではできん。

そして、相手の力の流れを感じその方向に合わせて

身を引く。相手の動きが速ければ速く、ゆっくりで

あればゆっくり、相手の動きに同調する流水の動きじゃ。」

「はいっわかります。

やり始めは相手の動きを考えず、自分ばかりが

動いていたから、相手と力がぶつかってばかり

でした。おかげで腕が真っ赤になりました。」

素菓子

「ドン臭い奴じゃの~弟子Mもだいぶ苦労

しとるじゃろうて~かっかっか。才能が弟子M

より残念なんじゃからしっかり自主練しとけよ!

このままでは100年かかるて。」

(くっそ~言わせておけば)

「師匠にも自主練は言われているので

しっかりやってます。

素菓子

「励めよ。バランス感覚もまだまだじゃ。

では、次じゃが…」

 

つづく

第7話 肩に手をかけられた時の対処法2

公園にて

前回の動画はこちら

 

素菓子

「相手の腕の捻じり上げ方じゃが、

まず相手の手を軽く握る

相手の腕を頭がかするくらいギリギリで

くぐり抜け相手との距離を詰め

やや後方に頭が滑るように入り込む。

「こんな感じですか?

素菓子

「上半身でくぐるんじゃなく、

下半身を使うんじゃ。

足を使え。上半身でくぐると動きがブレル。

お前はいつも足元がお留守になっとる。横着をするな!

自分が動いて相手の動きを支配するのじゃ!」

「こうかな?」

素菓子

「そうじゃ。頭を腕の下をスルッと滑るように移動させ、

一気に相手の斜め後ろまで詰める。もちろん足も

寄せておけよ。頭を移動できたら、その軌跡を握った手が

移動する感覚で捻じり上げる。その際決して腕力で捻じり

上げるなよ!抵抗されて逃げられてしまう。

うまくいけば、勝手に手が付いてきよる。

やってみぃ」

「えいっ!」

素菓子

「いててててっ!そうじゃその呼吸じゃ!

上手くいけば力も全く使わず相手の腕が捻じり上げ

られる。ワシが爪先立ってるのがわかるか?

これがしっかり肩関節が極められてる証拠じゃ!」

「で、出来た!」

素菓子

「ここまでできたらほぼオーケーじゃ。

後はここまでの動きをどんだけ相手に気づかれずに

行うかじゃ。この後は今回は顔面を打ちながら

地面に叩きつけとるが、比較的横に位置した場合は

これでも良いじゃろう、後ろに回りすぎた場合は、

相手の髪を取って後ろに引き倒せ、もしくは、

相手の襟を持って、膝を足で押し込んで、膝かっくんしろ!

これらはおまけじゃから好きなようにしたらええ。

大事なのは捻じり上げるとこまでじゃ!!

これを何回も反復練習しろ!」

「わかりました!なんかスムーズに体が動いたら、

逃げるよりこっちの方をしっくりきます。」

素菓子

「全ての術でその感覚が実感できれば護身力は

かなり上がっとるじゃろうのう。もはや常人に

あらずじゃ。体の使い方も合理的になり私生活に

おいても体を使い易くなってるはずじゃ。

ただし、術を試そうとはするなよ!

火の粉が降り掛かった時のみ使用するように!

しかし、その時の為の鍛錬は毎日のようにせい!」

「わかっています。その覚悟はしました。

私はこの護身術をマスターしてみます!」

素菓子

「かっかっかっ。心良きかな。知れば知るほどそんな言葉は

吐けんようになるがの。

今日はここまでじゃ。ほ~れっ

あそこの木からセミが鳴きだしおったわ」

「ほんとうだ!今日は少し暑いし、まだいたんですね

って、あれっ師父どこですか」

(キョロキョロ)

どこからともなく声がこだまする…

素菓子

「かっかっかっ。

まだまだお主の動きは未熟じゃ。

これから精進して修行に励めよ!

来週までさらばじゃ!

まだまだマスターまでは遠いの~

かっかっかっかっ」

師父っ~!師父っ~!

(自転車忘れてるんだけど…)

 

つづく

 

 

第6話 肩に手をかけられた時の対処法

武ちゃんが待ってると

向こうの方から1台の赤い自転車がやってきた!

チリンチリーン チリンチリーン キーッッ

素菓子

「驚き、桃の木、山椒の木、一気に時を渡りきり、

ついに出た出たやっと出た、武術界のアイドル、武仙、素菓子

再び見参!」

(チラッ)

(めっちゃどや顔してるやん……面倒くさいな~)

「師父今日もよろしくお願いします」

素菓子

「いやいや、よろしく違いますじゃろ。

この入場の仕方はどう?きまってるじゃろ?」

(あ~面倒くせっ。さっさと終わらせよう)

「大変ナウい登場の仕方ですわ。」

素菓子

「そ、そうかな~やっぱりきまったとは

思ったけど、正直に言われると照れるぞい。

サインいる?」

「大変頂きたいのですが今回は遠慮しときます。」

素菓子

「あっそう…

でもあれっっ!今日は僕ちゃんなんか

やる気がでちゃうな~⤴⤴⤴

サービスでちょっと僕ちゃんの動き

見せちゃおうかな~

(しゃべり方まで変わってるやん!

でもチャンス!)

「師父是非お願いします。」

素菓子

「よかろう」

 ブオッ ブオッ ブオッ

舞うように動く素菓子

ほとんど音がしない動き。

足音すらしない。

切り裂くような拳、蹴りの際のブオッという音

のみが静寂を破る。

その動きには一切の力みはなく

頭の上下動、横の動きのブレも一切見られない!

頭突き、体当たりを多用している。

体重のシフトの妙技である。

歩くのも滑るような歩法で

まるでMS-09ドムのような大地をホバーリン

するような動きだ!(わかる人にはわかる)

清流の流れが如く動いている。

見事な体捌きである。

素菓子

「っと。こんなものかのぉ~」

「す、すばらしい!是非私もできるように

なりたいです!」

素菓子

「かっかっかっかっ

お主もできるようになったら弟子Мと合わせて

ジョットストリームアタックでもするかの!?」

「なんなんですかそれ!

是非やってみたいです。」

素菓子

「やはり知らんか…不勉強なやっちゃの~

 武

「ちなみにこれは何の動きなんですか?」

素菓子

「仙流体術じゃ。おまえがやっとるのは

これの一部じゃ。

お前たちの国では忍術として伝わっておるがの

半蔵ちゃんも

三ちゃんも

小太郎ちゃんも熱心じゃったの~

懐かしいわい

(なんのこっちゃ)

「師父今日は肩に手をかけられた場合

をやったのですが、今回は以外とすんなり

できました。」


護身術 女性専用 肩に手をかけられたら手を捻じ上げる!Women Self-defense.

素菓子

「そうじゃの今回のはあまり複雑な動きのない

難易度の低い術じゃ。初めは一通り動きを

覚えるところからでかまわん。

じゃがまだまだ動きがぎこちないからもっと

無駄を除くよう訓練しろ!武術もアートじゃ。

美しゅうないといかん。」

「はい、わかりました。」

素菓子

「特に腕をねじ上げる時が最大の

注意を払う。

捻じる時に相手にあまり捻じってるのは

伝わらんようにな。自分の頭の動きで相手の腕を

ねじ上げるのを誘導してあげるんじゃ」

「ボクシングのヘッドスリップみたいな

感じですよね?」

素菓子

「そうじゃ、ポイントは」

 

つづく

 

第5話 諸手でもたらた場合の対処法2

(悔しいけど、今は我慢…)

「師父続きをお願いします。」

素菓子

「うむ。肘を抜く時は手で抜くのではなく

体全体で抜くように。

手首を抜いたらそのまま一気に顔面に肘を入れる!

反対の手で相手を支配しているから容易に

入れれるはずじゃ。

ただ、肘を打つ際に反対の極めてる腕が途中で

抜けてくれんと自分の腕が邪魔で肘が打てん。

お主の動画でもそうなっとるじゃろ。

自分の腕が邪魔で無理して打つから肘がオープン気味に

打ち出されとる。しかも、オープンな肘を誤魔化す為に

腰が閉じたままになり腰を入れて打てんから

不細工な恰好で打つことになっとる。

志村けんの『アイ~ン』みたいになっとる

笑いをとるんじゃったらそれでいいかもしれんが、

真剣勝負では無用じゃの。

肘を打つ際、反対の手は引かず押さずでニュートラ

の位置を保持し、顔面に肘を入れることで

相手を後に倒すんじゃ。

一番のポイントは右は引いても左はそのまま。

右を引くから実際は左は若干押し気味になるが、

相手の重心は一定に保てよ!」注)左前の場合

右と左の動きがバラバラになるから若干難易度は

上がるが簡単じゃろ?」

「なんとか形だけはできるようになりました。」

素菓子

「まずはそれで良い。まずは形を覚えよ。

そしてそれを繰り返し、細かい所を修正せよ。

さすれば、誰でも上達するようになっとる。

無知なお主に一応聞くが、

1万時間の法則をしっとるか?」

(くっそ~言われたい放題じゃないの!

でも知らないし…ここは下手に)

「いいえ知りません。私は無学なので

教えて下さい。

素菓子

「少しは勉強せいよ。1万時間の法則とは

てっとり早く言うとあるスキルを習得

しようとするとおおよそ1万時間

を要するってことじゃ。

語学、ピアノ、ダンス、武術しかりじゃ。

それなりになろうとするとそんだけ時間が

必要ということじゃ。

だから、昨日今日始めたようなくちばしの黄色い

ヒヨコが上手下手を語るのは笑止な話じゃて

かっかっかっかっかぁ~、あ!あ!顎が」

ゴキッ

「笑い過ぎて顎が外れたじゃろうが!!!」

(勝手に笑ってたくせに、ざま~みろ)

素菓子

「じゃから今は上手下手を語るより、ひたすら

形を覚え、反復練習する中で術の本質を見抜き

より高度な体の使い方を習得するよう心掛けよ。

護身術に複雑な動きは必要ないじゃろうから、

単純な動きばかりで構成されとるはずじゃ。

これでできなんだら、護身なんてあきらめろ。

小手先の動きにとらわれるな、体全体を

使うんじゃ。小指1本動かすのも体全体を

使うと心得よ。

わかったか?」

「はい、なんとなくわかりました。

素菓子

なんとなくって!

もう教えんぞ

あほんだらぁぁぁぁあああ!

「師父そんなに怒ると血圧があがりますよ」

素菓子

おまえが怒らせとるんじゃ

ろうがっ~!!!

はぁはぁ、ぜーぜー、はぁはぁ、ぜーぜー

「あんまり怒ったから動機がしてくるわい」

「それじゃあ、九心飲んで元気になって下さい

はいこれ。」

素菓子

「そうそう、最近階段を登るのが辛くって……

でもこれがあれば大丈夫。

動機息切れに、きゅ~しん♪きゅうしん♪

ってあほか! 

ポイっ

(はっ!思わず乗り突っ込みしてしもうた)

(……………)

「今日は大変参考になりました。

これから教えていただいた事を肝に銘じ

日々精進していきます!

ありがとうございました。

では、これでさようならまた来週!」

チリンチリーン チリンチリーン

素菓子

「えっ…………あんだけやらせといて

ワシを放っていくの……

ワシの存在っていったい…」

風)ヒュウーーーーーーーー 

素菓子

(でも、良い退屈しのぎになりそうじゃわい)

 

つづく

 

 

第4話 諸手で持たれた場合の対処法

「ではこれから、教えてもらえるんですか?」

素菓子

「いちご大福も、もらったしの~

仕方ない、教えてしんぜよう。

が、正式な弟子というわけではないぞよ。

ワシが趣味で教えるだけじゃ。

「ありがとうございます。

では、お爺さんこれから宜しくお願いします」

素菓子

「お、お爺さんて、張っ倒すぞ!!」

「す、すいません。

どうも見た目がただのお爺さんなんで…」

素菓子

(どうも、わしをリスペクトしてないようじゃの)

「ふんっっ、まあよいわ。

正式弟子ではないが師父と呼ぶことを許そう。」

「ありがとうございます師父。精一杯がんばります」

素菓子

「うむでは、さっそくじゃが今日はどんな

護身の術を学んだんじゃ?」


護身術 女性 両手で片手持たれたら 金的頭突き顔面に肘打ち Women Self-defense. If it is held with both hands

 

「手を抜く時に無理に抜いてどうしても引っ掛かりができて

最後の肘が遅れてしまうんです。」

素菓子

「聞いておるとは思うが『脱力、角度、軸、重心』

これがわかってないと、術をより成功させるのは難しい。

これらを前提条件を満たすと言うことにする。

偶然できたではダメなんじゃ。

しかも主がやろうとしとるは護身術。

チャンスは1度しかないと思え。

そのチャンスに己の持っているすべての術、力を

全力で浴びせかけるんじゃ!完膚無きまでにの。

加減など必要ない!

オナゴにとっては将来が係わってくる真剣勝負。

相手もそれを承知での行為であろうからの。

カスみたいなやつらじゃが。

さて、前置きはここまでにして、

お主はどこまでわかっているのかの?」

「初めは全然わからなかったけど、最近は全体的に

わかるようになってきました」

素菓子

「まぁ怪しいが。

前提条件が満たされてないと術の汎用性が高くできんて。

これらが満たされない術はただの力技じゃ。

そこに術理なんてないに等しい。

力技では、オナゴや力の弱い者は何もできん。

理論上そこに護身術は成立しないことになる。

だが、ワシらがやっているのは、力に頼らない術じゃ。

見た目は普通にしか見えんが、

体の中で体が動いている高等な体の使い方じゃ。

ただ、これらもスキルじゃから誰にでもできるのじゃ

だからお主にもできるという訳じゃ」

(ただのジジイだと思ったけどまともなことも言うんだな)

では、今日の術では何がダメだったんでしょうか?」

素菓子

「まず初めの相手の肘を極めるところから甘いの。

あれで相手の体を浮かすことにより重心を奪う。

もちろん相手の肘を極めるのに力は使わん。てこの原理

の応用じゃ。相手の重心を奪えば自由に操作できるので、

今回は頭突きにしとったの。相手をこっちに引き寄せ頭を

出したら頭突きじゃ。これはほぼ100%決まるはずじゃ。

そのまま勢いで金的に膝を入れる。保険じゃ。

後に押したらこれで終わりじゃろうが敢えて難易度を上げとる。

そこから持たれた手を抜くわけじゃが

相手の肘を極めつつその場で保持。そのまま手首を

真上に抜くのではなく、相手の親指を切るように抜く。

もちろんその際自分の手首が相手の親指とぶつかっては

いかんぞ!スルスルとうなぎのように蛇行して抜くんじゃ。

一切のぶつかりのないように訓練しろ!基本じゃ

これは脱力ができてないと厳しい技術じゃ。

ぶつかりがわかってないと話にならんからの~

ここまでは理解できるか?」

「はい、ぶつかってる感覚はわかっています。

だいぶ怒られながら練習しました……」

素菓子

「これくらいはわかってないと弟子Мにも見放され

とるじゃろう。いろはの、、じゃ。

これすらわからず、何十年とひたすら武道の練習

しとる者が圧倒的に多いがの。かっかっかっ

じゃが、あ奴に怒られながらも、よう練習したの?

あ奴は目をかけてない者に教える時は

穏便にやさしく教えとるが、目をかけてる者には

鬼のようになっとるはずじゃがな~?

「はい、大概怒られてます…」

素菓子

「かっかっか、さもありなん。

ただ、そんだけお主の才能を理解しとるということじゃ。

あやつは無駄な物に金も時間も絶対に投資はせん!

合理性の塊みたいな奴じゃからの、1秒でも惜しいんじゃ。

鬼の形相はあやつがお主を認めた証拠じゃ。

誇りと理解しろ。なかなか認めん男じゃぞあ奴は。

それだけの才能があるってことじゃよ。

わしにはさぁっっぱりわからんがの~」

鼻ホジホジ

(このジジイ!!)

 

 

つづく

第3話 武ちゃんの点数

「全然知らないですけど(汗)」

シ~~~~~~ン

素菓子

「えっ…………………………」

放心状態の素菓子

30秒後

「ま・まぁ無知な者は知らんようじゃな

ワシみたいにスーパー有名人を知らんで

よく生きてこれたもんじゃ

ワシを知らんとは納税してないような

もんじゃぞ。全く!

まぁサインが欲しかったらいつでもいいぞ」

(絶対いらないんだけど)

「どうでもいい話はそこまでにしといて

どうして私の事を知っているのですか?」

素菓子

(どうでもいいて…張り倒したろか)

「おまえが今護身術習っとる弟子Mに頼まれたんじゃ」

(鼻ホジホジ)

「あっ!今日会わせたい人がいてるって言ってた

人のことですか!」

素菓子

「そうじゃそのすばらしい超有名人の

素・菓・子じゃ(そかし)」

(また勝手に言ってる)

「で、何をしに来たんですか?」

素菓子

「弟子Mがおまえが護身術がうまくできなくて

悩んでいると言うからわざわざ

教えにきてやったんじゃ

(恩着せがましい…)

「ありがとうございます。でもいいです。

自分でなんとかしてみますから」

素菓子

「それができんから悩んでるんじゃろ?

お主、それなりの自信があったんじゃないのかな?

人にダンスを教えようというくらいじゃ

普通の身体能力ではないのじゃろう。

学生時代から何をやらせてもそれなりにこなして

きたのじゃろう、が、今回はそうはいかなかった…

今までの自分の積み上げてきた自信が崩れだした。

まぁこんなところじゃろ。どうかな?」

「…………」

素菓子

「かっかっか

まだ修行を始めて1年達つかたたない者が言う事

ではないて。しかも主がやっているのは高等な

身体操作じゃ。弟子Mもわしが言うのもなんだが

なかなかの身体能力だが、ここまでの術の習得に

20年からかかっとるからの~お主だったらあこまで

なるのに100年はかかるかもしれんて

かっかっかっか」

「ただ、弟子Mの目は節穴ではない。素質のないものに

出来るとは言わん!主の素質を見抜いて言ったのじゃ

ただ、弟子Mは才能があるがゆえ言葉が足らん所があるで、

説明をはしょりよるから、わかりにくい所もあるのではないかな?

そこでワシが呼ばれたという訳じゃ」

(なるほど、師匠はそこまで考えてくれてたんだ。

この爺様はちょっとうさん臭いけど師匠の師匠だから

悪い人ではなさそうだし)

じゃあまだ護身術の事全然わからないんですけど、

教えていただけるでしょうか?」

素菓子

「ふんっ、人に教えを請うのに手ぶらはないじゃろが

あ~なんか甘いのが食べたいのぉ~」

(うっ!露骨な催促…教えを受ける身、仕方ないか)

「今日、練習前に作ったいちご大福なら家にありますが」

素菓子

「いちご大福?なんじゃそら、まぁ1度食してやっても

いいがの」

「ちょっと待ってて下さい」

ドキューン

「はぁはぁっぜえっぜえっ、家からも、持って来ました。はぁはぁ」

素菓子

「お主仕事が早いの!ワシを待たせぬ心遣いは良し!

後は味じゃのどれ1つ

パクッ

く~く~く~く~く~~」

「大丈夫!喉につまりましたか!」

素菓子

「く~く~く~くぅ~~~、くそうまい!

ドテッ

素菓子

「なんと!さっぱりとしたイチゴの酸味と甘み、

それを損なわないようにあんこがそこはかとなく甘みを

主張しているお互いの良い所を存分に引き出した

適材適所のスイーツ。これがイチゴ大福か!

ごちそうさまでした

…これはお主の手作りか?」

「はい、たまに作ったりします。」

 素菓子

「お主、護身術の腕はまだまだ、だが、

イチゴ大福の味はなかなかじゃの~」

(人を褒める時もあるんだ)

「ありがとうございます。でも、護身術の腕が

どうかはまだ見てないからわからないんじゃ?」

素菓子

「そんなもん、立ち方、歩き方、重心の位置をみてたら、

大体の予想はつくわ!20点じゃの」

「に、20点……」

素菓子

「そうじゃお主!これからは覚悟せいよ!」

「はいっ

グズで、のろまで、ガメラですが、

よろしくお願いします!」

 

酷評を受けた武ちゃん

これからどうなりますやら

 

つづく

第2話 武ちゃん素菓子と出会うの縁

ここは秘密修行場、『龍の巣』

「おつかれさま、今日も動画が撮れて良かったな。

初めは全然やったけど、まぁまぁの動きやったし、

後はこれを応用して

実戦レベルまであげるだけやな!

わからん事とかあったら何でも聞いてや」

「うん、でも聞きたいことがわからないねん」

「まだきっちりやって1年してないし

そんなもんやって考え過ぎたらあかんで

ようやってくれてる方や!

当日のお題やしようやってるよ」

「言うてる意味はわかるねけど、体が

動いてくれへんねん…

上手くできなくてごめんね」

(危険やちょっと追い詰められとるな)

「簡単な事をやってるわけじゃないから出来なくて当然

いきなりできたらびっくりするよ!」

「ありがとうがんばる」

「ところで紹介したい人がいるねけど」

(実は仙人やけど…)

「ここに来るように言っといてんけど

来てないねん。どこ行ってるんかな~

仕方ないな~また今度来てもらうわ

じゃあまたな。さいなら」

「ふ~ん、じゃあ仕方ないね。またね

さようなら」

 

自転車に乗って帰ってる武ちゃんが道端でうずくまってる

みすぼらしい格好の老人を見つけ、声を掛けた。

 

「おじいさんどうしたんですか?」

謎の老人

「う~~~う~~~う~~~」

「おじいさん大丈夫ですか!!!」

謎の老人

「う~~~う~~~う~~~

うまい!

 

ズルっ

(なんだ、心配して損した(汗)

しかし、小汚い爺さんだわね~

ムシロまで背負っちゃって鼻も真っ赤だし

放っといてさっさと帰ろうっと)

謎の老人

「やっぱり弟子Mがくれた葛はうまいの~

上品な甘さであるのにしっかりとした味

それでいて全然しつこくなく舌の上で溶けるような

この舌触りは絶品じゃの~

吉野の本葛とみたがいつも良いものをくれよる」

 武

(あほらしッ)

再び自転車に乗って過ぎ去ろうとする武ちゃんに

老人が声を掛けた。

 

謎の老人

「待った、おまえが武ちゃんじゃろ?」

「なんで知ってるんですか!

このストーカー!!警察に連絡だ!」

謎の老人

「ま、待たんかい!

このワシをどなたと心得る!

 

我が白髪の三千丈 心の丈は一万尺

因果宿業の六道も 百の輪廻もまたにかけ

愛し愛しと花踏みしだき おつる覚悟の畜生道

 

誰が呼んだか名付けたか!

人呼んで

武仙(ぶせん) 素菓子(そかし)とはワシの事じゃ!」

でん!

(きまった、これでもかって位きまってしまった。ニヤッ)

(…………)

 

つづく